KORG MC-1 (microKONTROL) が故障した顛末

※「私が体験した、故障の事実」以外は、全て想像・推測・希望的観測に過ぎませんので、あらかじめご了承ください。

2006年末に購入し、Propellerhead SoftwareReason と共に愛用してきた KORG 社製 MIDI コントローラーの名器 MC-1 (通称:microKONTROL 以下、MC-1 と表記) が、早くから1番&5番ノブがだんだん無反応になってしまったのに加え、最近とうとう、ミニ鍵盤も数カ所無反応になってしまいました。

そこで、KORG へ修理依頼しようと思ったのですが、とある楽器店オンラインショップに、修理費用と同等で、状態の良い中古品が見つかったため、買い換えることに。

ところが!

なんとこの中古品もほぼ同じ不具合(故障)があることが判り、中古初期不良保証対応の無償修理で送り返すことに。。(状態が良いのは外見だけでした)
楽器店の売り方に疑問が残るものの、そこは紳士的に対応しましたが、少し気持ちが悪かったので、自分の使っていたものも思い切って KORG へ修理に出してみました。(2台持ちで、1台はスペアーになればいいやくらいの気持ちで)

さて、この2台の MC-1 の運命やいかに!!?

自分だけと思っていた故障が、まさか他人が使っていたものの故障と同じだったという事態に遭遇し、
「ひょっとして、もっと他にも同じ不具合・故障がおきている人がいるのではないか?」
と思い、今回、一連の顛末をポストしてメモしておくことにしました。

私のMC-1 の壊れ方

趣味レベルで短時間の使用がメインでしたが、2〜3年ほどした頃でしょうか。 1番のノブがマイナス方向には正常に入力出来るものの、プラス方向には回しているのに途中で引っかかるように止まってしまったりと、うまく入力できなくなり、その後、1番と5番ノブも「物理的に回るが、全く入力できない状態」になりました。
私は、別メーカーのノブとスライダーのみの MIDI コントローラー (UC-33e) も持っていましたので、早くから MC-1 のその部分はそちらに割り当てて使用していました。

しかし、とうとう昨年になって、鍵盤の一部も入力出来なくなっている事に気づきました。 これも最終的には6つのキーが入力不能になってしまいました。

壊れ方の印象としては、

使用頻度が少ない割に、すぐに壊れてしまったなぁ〜。

というものでした。

中古で購入した MC-1 の状態

手元に届いて動作確認したら、既に壊れていましたw
中古 MC-1 も、1番と5番ノブが全く入力出来ない状態で、鍵盤は4つのキーが入力不能になっていました。

前のオーナーさんがこれを認識されていたかどうかは不明ですが、おっと幸いで売れてしまった。 そもそも買い取った楽器店が十分動作確認をしていれば、こんなことにはならなかったと思いますがね!;) 「中古ハードウェアの動作確認は、売ってから客に確認してもらえ。 その為の中古保証だ。」という印象が拭えませんw
話がそれましたが、壊れたものを手に入れた事で今回のような発見・行動に至ったわけで、転んでもただでは起きません!:D

2つの MC-1 に共通した故障のしかた

上記までを読まれて既にお気づきの通り、どちらも

  • 1番と5番のノブが入力不能
  • 幾つかの鍵盤が入力不能

になったという点です。

面白いのは、このノブ、全部で8個あるのですが、ちょうど4:4で区切ると「最初の1つめのノブが故障する」ということになります。
さらに面白いのは鍵盤で、どちらの機体も、「場所は不規則だが、隣り合う白鍵と黒鍵がペアで入力不能になっている事が多い」という点です。
↓ 図にすると、こんなカンジです。

今回、この共通点があったことで「内部の構造的な欠陥が原因なのでは?」と疑わざるを得なくなりました。

楽器店と KORG の修理対応の結果

まずは、直送した KORG 側から。
オフィシャルの診断結果は、

ノブ パーツ(ロータリーエンコーダー)の接触不良により全体の誤動作を引き起こしたのが原因で、該当部品の交換で修理(1日で作業完了)できる。

とのことでした。 その際、
10,899 円(修理費用+ KORG から自宅までの配送料含む、着払い手数料込み)かかると言われました。
こちらからの発送時に、ヤマト運輸の運賃(1,370 円)も自己負担でしたので、
合計で、1,370 円 + 10,899 円 = 12,269 円 かかりました。
↓ 現品到着時に、添付されていた現品票も、参考までに掲載しておきます。
(クリックで拡大)

楽器店側は、こちらからの発送は「着払い」で受け付けてくれましたし、修理についても全て無料で対応してくれました。(店独自の中古保証により対応)
返送時の報告をそのまま引用すると。

修理内容は、メイン基盤 IC の修正、その他オールメンテナンスとなります。

とのこと。

  • メイン基板 IC = ロータリーエンコーダー
  • その他オールメンテナンス = 機能チェック

と解釈するならば、楽器店と KORG 間の修理についても、KORG は同等の金額を請求したものと思われます。
だとすれば、楽器店の中古販売価格は 9,800 円(税込)でしたので、明らかに店側はマイナス取引となったといえます。(顧客側の費用負担は、楽器店の中古 MC-1 の購入・修理が一番安上がりだったことになりますが…)

無事に修理されて帰ってきたとはいえ、壊れ方の印象が「すぐに壊れてしまった」だけに、またすぐに壊れるんじゃないかと心配ですが、「一度壊れて直ってきた2台」があるんでw とりあえずはホッとしています。

あなたの MC-1 は大丈夫??

今回、このポストを書くにあたり、

  • 自分や、たまたま楽器店で購入した中古の MC-1 だけが同じ故障をしていたのか?
  • ほかの人も同様の故障を起こしているのではないか?

を確かめたかったというのがあります。
いや、あまりにも偶然すぎたので、もしかしたら、本当に偶然だっただけなのかもしれませんが、それはそれでオモシロい話ではありますw

このポストを読まれて、もし、

  • 自分の MC-1 も同じ症状だ! こりゃヤバいぜ!
  • 自分はバリバリ使ってるけど、全く問題ないよ!
  • しばらく使ってなかったけど、触ってみたら同じだった。
  • 同じ症状だったが、別のに買い換えた。

など、ぜひコメント欄へお聞かせ頂ければ幸いです^:)^

さて、ここからは少し MC-1 のことと、今後の希望について少し触れたいと思います。

MC-1 (microKONTROL) について

私の記憶が確かならば、2003年 12月上旬に発売された MC-1 は、昨年 2010年中に生産・販売を終了し、約7年間、生産・販売されたことになります。

近年、MC-1 から「パッド部」「スライダー部」「ミニ鍵盤部」をそれぞれ分離し、省設計化した nano シリーズや、上位ミニ鍵盤を採用した鍵盤のみのコントローラー microKEY といった MIDI コントローラー製品は出ていますが、なぜかそれらがひとつにまとまった MC-1 (microKONTROL) のような MIDI コントローラー製品は発表されないまま、現在に至っています。(後発で KONTROL49 という通常サイズの鍵盤を採用した製品がありましたが、サイズが大きくなっており、代替にはなり得ませんでした。 これも現在、生産・販売を終了しています)

後継機がすぐに出なかったのはナゼ?

今回の自分の壊れ方や、現在の nano シリーズのような「バラ売り」が主流になっている事から察するに、結構、MC-1 は故障が多かったのではないかと思います。
nano のようにバラしておけば、一部壊れて修理に出せば MIDI コントローラーとしての多くの操作ができなくなってしまう MC-1 の不便さを、少しはカバー出来ますからね。
つまり「ある程度 “壊れる” ことが前提だからそうなってしまった」と考えられるのです。

上記を仮定したうえで、後継機がすぐに出なかった理由を前向きに考えるならば、「より耐久力のある後継機を開発中」なのではないでしょうか? 「バラ売り」の製品は部品も刷新されたものを使用しているはずですし、表現が良くありませんが、現行製品で様子を見ているのならば、今後より良い製品となって復活することも十分に期待できます。

MC-2 (microKONTROL2) にやっぱり期待

個人的に KORG は大好きで、microKORG も限定モデルを手に入れたくらいです。 MC-1 は、これまた大好きな Propellerhead SoftwareReason との親和性が高く、殆どのコントロールタイプが1つにまとまっていて、小さなディスプレイ表示もありがたくて、とても気に入っているので、もし後継機が出たら、すぐにでもアップグレードしたいくらいです。

自分がナゼ nano シリーズや microKEY を使わないのか?
それはやはり、以下の条件を満たさないからです。

  • 1台で済むこと(煩雑にならない持ち運び性・これが大前提
  • PC モニターとキーボード間(約 40 cm)にコンパクトに置けること(これは nano シリーズなどで満たせますが1つめの条件が大前提ですw)
  • ノブやスライダーのアナログ操作には、小さなディスプレイ表示によるフィードバックがあること(割り当てられた各機能がコントロール側で確認できる)
  • パッドはフィードバックが判るように、パッド自体が LED 点灯すること
  • USB バスパワー・電源アダプター・電池稼働 それぞれに対応していること

大半が MC-1 にあったけれど、現行 nano シリーズなどで失われてしまった機能ですね…。
nano シリーズは確かに魅力的な製品ですが、MC-1 と比べるとやはり「コンパクトになりすぎて物足りなさを感じる」という印象です。 実際、使ったことがないので何とも言えませんが、最初から割り切って使うのとはワケが違います。

MC-1 の生産・販売が終了してしまった今、これから KORG の MIDI コントローラーを手に入れる人に nano シリーズや microKEY といった選択肢しか無いのは、少し寂しい気持ちがするのは自分だけでしょうか?

話が暗くなってきましたが、ここで希望のある話を。
KORG は 2010年末、なんと前述 Propellerhead Software の国内代理店になったのです!
これを機に、さらなる親和性を高めた MC-2 (microKONTROL2) が出るんじゃなイカ!? と期待しています。
MIDI コントローラーと 親和性の高いソフトウェアをセットで販売することで、双方の付加価値を倍以上に高めることにもなりますしね。(ワッショイ!w)

まとめ

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!!!
KORG が大好きで、MC-1 も大好きだった自分にとって、今回の出来事は「あらゆる意味」で衝撃的でした。

修理から帰ってきた MC-1 が少しでも長く使えることを願いつつ、後継機にも期待しつつ、この話をおしまいにしたいと思います。

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