最近、特にオモシロいと思っている「tumblr.(タンブラ)」という SNS。
半年ほど使ってきましたが、すっかり夢中になっています。
既にいろいろなところで取り上げられている tumblr. ですが、個人的にもこの SNS をおさらいするつもりで、初心者向けのわかりやすいエントリを目指してみます。
index
さて、今回は長いので、 インデックスを付けています。
- tumblr. ってなんだ?
- とにかく tumblr. をかじってみよう
- Follower を増やす
- Reblog してみよう
- Post もカンタン
- tumblr. のカスタマイズ
- 「共感」で繋がるコミュニティ
- 著作権について
- まとめ
tumblr. ってなんだ?
tumblr. の名前の由来は、シンプルなメディア投稿だけで構成されるブログを指す tumblelog という言葉と、その入れ物という意味のタンブラー(tumbler)からきています。
この名の示す通り、自分の気に入った web 上の「写真 / 動画 / MP3 / 文章(メッセージ) / リンク」を自分専用の tumblr. web サイトにポコポコ貼り付けていく(投稿する)ことができます。 その際、例えば web 上の写真に自分のコメントを追加して投稿することも可能です。 基本的にはそれだけです。 ちょうど、スクラップブックの web 版のようなイメージで間違いないでしょう。
それを、誰もがウェブブラウザで閲覧でき、しかも無料で提供している web サービスです。(言語は英語のみです)
それの何がオモシロいの? ブログと同じちゃうの?
そう思われるかもしれませんが、表面的にはブログのように見える tumblr. の本当のオモシロさは、使っている人しか見ることが出来ない裏の画面「Dashboard(ダッシュボード)」と「Reblog(リブログ)」というしくみにあるのです。 そうです、tumblr. は「かじってなんぼ♪」の SNS なのです。
とにかく tumblr. をかじってみよう
言葉よりも実際に tumblr. をスクショで説明します。
まず tumblr. を利用するためにアカウント登録(サインアップ)をします。
登録は自分の「Eメールアドレス・パスワード・自分専用の tumblr. URL(???.tumblr.com の?部分)」を決めて登録するだけです。 ちなみに、URL は誰かに使用されているものは使えませんが、登録後に変更することが可能なのでテキトーでも大丈夫です。(geisha のURLは既に存在していたので仮に geisya としています)
登録が終わると、いきなり Dashboard が表示されます。 また、自分専用の tumblr. URL では「Untitled」というデフォルトページ(tumblr. サイト)が見えるようになっています。
登録直後の Dashboard は非常に簡素に見えます。 ここへ、他の tumblr. ユーザーを自分の「tumblr. お気に入り(Follow)」に登録することで、それらの人たちの貼り付け履歴(ログ)をリアルタイムで観察することができるようになります。 そして、もしその中に 自分の好きな写真 や動画などがあった場合、それらを「Reblog(リブログ)」といって、自分の tumblr. に貼る(投稿する)ことも出来るのです。
Follower を増やす
とりあえずは、フキダシで「Welcome to Tumblr!」と説明してくれているナイスガイのあんちゃんのアイコンをクリックしてみましょう。
すると「David’s Log」というページが開きます。 これはそのあんちゃん(以下 David)の tumblr. サイトです。(ちなみにDavid さんは tumblr. の生みの親を世に送り出した人です)
ムービー・テキスト・画像、いろいろ投稿されていますね。 一般ユーザーからは tumblr. はこのようにシンプルなブログのような見え方になります。
では早速、試しに David を自分のお気に入りに登録(Follow)してみましょう。 登録はカンタンです。 ページの最上部 右端に「Follow」「Dashboard」と2つのボタンがありますが、その「Follow」をクリックします。 「Follow」ボタンが消えたら登録完了です!
残った「Dashboard」のほうをクリックして自分の Dashboard に戻ります。
Dashboard の変化に気づきましたね。 David の更新履歴が表示されるようになりました。
こうやって、フォロワーを増やしていくことで Dashboard は多様性を増し、フォロワーと自分の更新で成長していきます。
「でも、David 以外のユーザーをどうやって捜せばええの??」
ユーザーは、ユーザー名・登録メールアドレスが判っている場合や、Google で「.tumblr.com/」というキーワードで検索すれば見つけることが出来ます。 でも、もうちょっとオモシロいユーザーの見つけ方があるので今回はそちらを紹介します。 David の更新履歴のある部分に注目してみましょう。
david and 6 other people reblogged danielha‘s photo:
(David ほか6名が Danielha の写真をリブログしました:)
その「6 other people」という部分をクリックしてみます。 すると、その写真を Reblog したユーザー(と最初にポストしたユーザー)の一覧がサッと引き出しのように出てきます。 そこから、別の人の tumblr. サイトへ訪れ、先ほどの手順と同じように「Follow」することも出来るというわけです。
自分の気に入った写真・動画・リンクなどを投稿(または Reblog)している人づてにフォロワーを増やしていけるというのは、言い換えれば「同じ興味指向を持った人をはやく見つけられる」ということです。
Reblog してみよう
さて、Follow の仕方が判ったら、次は Reblog(リブログ)してみましょう。
tumblr. 内で投稿を共有し合うことを Reblog といいます。 Reblog するとその履歴が残り、他の人がどれだけ Reblog しているかで対象メディアの人気も判りますし、Reblog 履歴を辿ることで新たなユーザーを発見することも出来ます。
Dashboard に追加した David の投稿履歴の1つ1つの枠の右上にリピートのアイコンボタンが付いていますが、気に入った投稿のそこをクリックしてください。
すると Reblog ページが表示されます。(※下の画面は「動画の Reblog 例」です。写真画像の場合など、メディアタイプによって若干レイアウトが異なります) この画面で、写真のコメント欄に自分のコメントを追加することも出来ます。
ここには自動で直近の Reblog 元ユーザー名がキャプションに追加されるようになっています。 このユーザー名部分は削除しても問題ないのですが、tumblr. ユーザーでない一般の人がフォロワーの存在を唯一確認できる部分なので、残しておくのもオモシロいかもしれません。 コメント欄は基本的に一切触らなくてもいいし、あとでいつでも編集可能です。
「Reblog ボタン」をクリックすれば、Reblog は完了します。
自分の tumblr. サイトでも投稿を確認できます。 カンタンですね。
Post もカンタン
最後に Post(投稿)をやってみます。
Dashboard の7つのアイコンが投稿ボタンになっていて、写真(画像)なら「Photo」、YouTubeなら「Video」といった具合に、メディアタイプに応じて使い分けます。 写真(画像)の場合、その写真(画像)そのもののファイルをアップロードするか URL を入力して、オリジナルの掲載ページ情報やコメントを追加するなどします。 Reblog と比べてチョット面倒くさいと思われたかもしれません。 でも、これまたカンタンな投稿方法「ブックマークレット」が提供されています。
ブックマークレットは Dashboard の Account メニュー内「Extras」ページにあります。(Extras ページには他にも幾つかの便利ツールがありますが)ツールの一番上に「Bookmarklet」があるはずです。 下の画像のように「Share on Tumblr」と書かれたボタン画像を、ブラウザのブックマークバーへドロップして登録しましょう。
では早速、登録した ブックマークレット「Share on Tumblr」を使って投稿してみます。 Flickr で気に入った写真のページを表示させたら、ブックマークバー上の「Share on Tumblr」をクリックします。
すると小さな tumblr. ポストウィンドウが開きます。
既にその写真のリンクやキャプションが入力済みになっているので、そのまま「Create Photo」ボタンをクリックすれば、少し時間がかかるかもしれませんが投稿処理が完了し、自動的にそのポストウィンドウは閉じるしくみになっています。 これだけです。
自分の tumblr. サイトで投稿を確認します。
tumblr. のカスタマイズ
自分の tumblr. サイトの見た目はカンタンにカスタマイズが可能で、あらかじめ幾つかのデザインセット「テーマ」も用意されています。 カスタマイズ用のインターフェースは英語ですが、直感的で判りやすいので実際に触ってみてください。 今回はあえて詳しく説明しません。
とりあえずタイトルを変更してみました。
「共感」で繋がるコミュニティ
こいつのスゴいところは、操作の簡単さはもちろんなのですが、自分自身ではなく、純粋に「興味のある対象物そのものだけで構成できる」というところです。 もちろん、個人的な情報やメッセージを貼り付けることで、さらに深みを増すこともできるのですが、個人的にはこの「興味のある対象物そのものだけで構成できる」点がものすご く新鮮でした。
私は tumblr. では、
投稿 = 興味(発信)
Reblog = 共感
だと考えています。
そんな「興味 共感のつながり」のみで出来あがるコミュニティこそが、tumblr. の提供する素晴らしい世界なのです。
著作権について
著作権についても自分なりの考えをまとめておきます。
tumblr. がカンタンに著作メディアを投稿でき、それだけでウェブサイトが出来てしまう部分に特に注目し、よく思っていない人・心配になっている人もおられるようです。
確かに、tumblr. は他人の作品やテキストを勝手にポコポコ掲載することがカンタンに出来ます。 でもその目的は先に述べたように、あくまでも「興味の共有」のためであって、著作物自体は尊重されなければなりません。
それらを侵害するような行為(具体的には誹謗・中傷や無断で利益を得るような行為)は原則としてやってはいけません。 例えば、他人の作品ばかりで構成された自分の tumblr. に Google AdSence などを出して、広告収入を得ようとするのはダメです。
また、投稿(または Reblog)するときは必ず「オリジナルへのリンク」を付けて(残して)おくことが最低限の著作権者への敬意ではないかと思います。 tumblr. は標準で投稿時にオリジナルリンクと一緒に投稿できるようになっています、(ブックマークレットを使った Flickr からの投稿では、必ずオリジナル掲載ページへのリンクが貼られるようになっていて、これは外すことが出来ません)つまりその部分を削除・変更しないことが大切です。 ブログの画像を投稿する時は、そのブログエントリへのリンクも忘れずに投稿しましょう。
しかし、あなたの tumblr. が私的な日記や自分の作品などのコンテンツのみで構成されている場合はその限りではありません。 逆に上記を Reblog する際に約束してもらうことで、使い方によってはオモシロい作品発表の場にもなるのではないかと思います。
補足(2008/01/13):
tumblr. はネット上での革新的な交流形態を築いたとはいえ、ネット上へ作品を公開する作者へも問題を提起したといえるでしょう。 それは「tumblr. のような転載ベースの SNS に無断で掲載され、どんどん Reblog される可能性がある」ということにも注意を払わねばならなくなったということです。
ネットの性質上、作品を公開する側(作者)も「ある程度のリスク」を負う必要があると思います。 閲覧者も作品に対する敬意を払うのはもちろん、作者が作品を掲載する時に tumblr. を避けたいと思う場合は、きちんと自分のホームページを持つなどして、そこへ明示的にガイドラインを設けて、転載を制限してもらうようにするべきでしょう。(ガイドラインについては Creative Commons 等を参考にするなどします)
でも、いくらガイドラインを明示したとはいえ、ネット社会が利用者のモラルで成り立っている世界であるが故に、(もちろん、モラルが高まることも非常に大切ですが)作者は、それが 100 % 守られることは無いと考えるべきです。(これはネット社会だけではなく、現実の社会でもいえることです)
大切なことは、閲覧者は「作品に対し敬意を払い、作者からの削除要請がある場合はそれを受け入れる窓口と実行を約束する(tumblr.に掲載され、Reblog されてしまってからでは遅いかもしれませんが)」、作者は「制限したい意思表示を明確に示し、多少の許容を覚悟する」ことを双方が可能な限り行いトラブルを未然に防ぐ、ということなんだと思います。
私は表現者の端くれとして、tumblr. に関しては肯定的に捉えています。 先に述べたように、無断であるにせよ「純粋な興味の対象」となっていることがわかるのは「嬉しい」からです。
まとめ
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
tumblr. はあまりにもシンプルで簡潔な SNS なので、その本質を見抜くまで、自分でも時間がかかってしまいました。
tumblr. = 興味 共有のいれもの
これが今のところの結論です。 ですが、これは人によって(使い方によって)まったく違う印象にもなることも確かです。 単にブログシステムとして利用することも出来ますし、スクラップ・メモ代わりに使うことも出来ますが、それらをひとくくりに「興味」としてしまえば、それを「tumblr. ユーザーが共有」するための SNS(共有のいれもの)だといえるのではないでしょうか。